京都小噺

●京都小噺 第三弾●

京都名所にちなんだ小噺を作ってみました。もちろん、ほとんどウソでなり立っています。神社、寺の話も作者が信仰心薄いためではありません。


○ブッシュ大統領来京 

「京都議定書を否定しているブッシュ大統領にここ京都で、迎賓館前でつかまえて意見してやろう」
「ヘリコプターを使ったから意見できませんでしたね」 
「うん、ヘリコプターでは効果ないね。相手は、うわの空だから」 


○福井直秀(当HP主催者)のテノール・リサイタルが開かれます。 

−−12月11日(日)3時 京都外国語大学森田記念講堂 入場無料。オペラからおなじみの曲まで。自作自演の落語も−− そこで
 ○テノール 
「テノールは男声の中で最も高いのですが、どれくらいですか」 
「普通、高いほうのシ・フラットまで使って歌います」 
「それ以上高いのはないのですか」 
「時にドもあります。ハイ−Cといいます(福井は少し出ます)」 
「それより高いのはありませんか」
「まあ、ほとんどないですね。ドを越したのは」 
 ○オペラクゴペラクゴ
落語の中にオペラなどが出てくるもので、福井専用のネタです。オペラとラクゴが永遠に 続くネーミングです。 そこで。
「オペラクゴペラクゴ…。この言葉を言い続けるとご利益(りやく)がありますか」
「ええ、長生きのおまじないです」 
「本当ですか」
「寿命が確実に保証されます。いい続けている間の」


○愛宕神社 

ここは、火のお守りの神様です。そこで。 
火の神様が自分の子供について嘆いています。
「うちの子は、頼りなくって。なにしろボヤと呼ばれていますからね」 
それを聞いた地震の神様が
「それくらいならいいですよ。うちの子供はあちこち、ゆすって歩いていますから」 


○ 義経 義経は、小さいとき鞍馬寺に住み、五条の橋では弁慶に会いましたね。

「義経は天皇の血を引く「貴種」だったのだよ。戦上手でひよどり越えでは、馬を率いて 急な坂を下りて勝利し、最後は海を渡ってジンギスカンになったとの伝説もあるのです」
「うーん、血筋に馬に羊か。それで毛並みがいいというのか」 


○ 大徳寺 ここはあのとんちの一休さんで有名です。 

「客が増えて儲かる方法がありませんかね」
「うーん、難しいですね。…そうだ!その方法をみんなで考えるというのは?」
「それで本当に儲かりますか」
「ええ、仏壇屋が儲かります。アニメにあるように一休さんが考えるとき木魚をたたくで しょう。みんながやれば、木魚がたくさん売れます」


番外編 ○ 私の経験? 

あるとき、竜安寺への道順を聞かれました。まだ、京都に来て間がなかった私は、天竜寺 の方向を教えてしまいました。その人がいってしまってから間違いに気が付いた私は、あ わてて天竜寺に電話して
「すみません。表に掲げてある名前を竜安寺に変えてもらえませんか?」 

●京都小噺 第二弾●


京都名所にちなんだ小噺を作ってみました。もちろん、ほとんどウソでなり立っています。神社、寺の話も作者が信仰心薄いためではありません。


○ 上賀茂神社 

ここは、雷の神様を祭っているので。 雷の子供、雷というのは本当は電気なのだよ、といわれても納得できません。 あるとき、まっさかさまに転落し、角を地面に打ちつけ、体中しびれてしまいました。

「なぜ、こんなにしびれたのかな。あ、そうか。やっぱり、僕は電気だったのだ。」 


○ 五山送り火(大文字)

「山肌に火をつけるのと跡が残りますよね。あれって、山の刺青ですか、やいと(お灸) ですか」
「そりゃ、やいとですよ。」
「なぜですか」 
「あれで京都が元気になる」 


○ 清水寺(その2) 

これは、古典にあります。 美人と評判のお姫様、清水の舞台から飛び降りると予告したので、大勢の若者が落ちてく るのを見ようと集まりました。だが、舞台に上ったお姫様、下を見下ろすと、飛び降りは やめるといいました。

「どうしたんですか」
「一人くらい気に入ったのがいるかと思って、大勢の若者を集めたのですが」

○ 三年坂 

「ここで転ぶと3年後に死ぬという迷信があります」 
「私はこの間転んでしまった。どうしよう」
「それなら、10回転んでください。そうすれば、30年後に死ぬことになります」
「いや、それなら、20回転ぼう」 
「それはだめです。20回転べば、怖いことになります」
「それは大変だ。その怖いこととは?」
「足を捻挫します」


○ 西と東

「本願寺には、西と東があるが、応仁の乱では、西陣だけが残って、東陣がないのはなぜ? 」
「それは、漢字をよく見てごらん。東陣だと、車という字とそれに似た字が入っている、 車に乗って去っていったということさ」
「でも、西陣にも車が含まれてるけど」
「西陣は、とどまったのさ。おいしいお菓子屋がいくつもあるから」 


○ 苔寺(その1)

「ローリング ストーンズが拝観を申し出たら、断られたらしいよ」 
「なぜ?」
「Rolling stones gather no moss(=転石こけを結ばず)だからさ」


○ 苔寺(その2) 

「ローリング ストーンズが拝観を申し出たら、歓迎されたらしいよ」
「なぜ?」
「Rolling stones gather no moss(=転石こけを結ばず)、ローリング ストーンズ は、苔を集めて持ってかないからさ」


○ 鈴虫寺

「ここでは、年中鈴虫を鳴かせようとしているが、それは正しいことなのですかね」

「そうですね。鈴虫も問いかけてますね。倫理?倫理?と鳴きながら」

○ 南座 

「南座は昔、河原にあったのが、今では陸の上に上がってきたのだ」
「それで歌舞伎の屋号には、高麗屋、面高屋など高の字が付くのがあるのだ」


○ 一乗寺下がり松

「ここで、宮本武蔵と吉岡道場一門の決闘があったが、武蔵が大勢を相手にしても勝った のだよ」
「僕が吉岡一門なら武蔵に勝ったのに」
「どんな方法だい?」
「武蔵得意の遅刻作戦さ」 
「そんなので勝てるのかい」
「これは絶対だよ」
「そんなうまくいくかい?」 
「うん、ずーうっと遅刻するんだ。武蔵が年取ってよぼよぼになるまで」 

 ●京都小噺 第一弾●


京都名所にちなんだ小噺を作ってみました。もちろん、ほとんどウソでなり立っています。神社、寺の話も作者が信仰心薄いためではありません。


○祇園 
「昔は祇園から大学に通った京大教授がいたそうだよ」
「なるほど。彼の点数は甘かっただろ?」
「本当?」
「だって、祇園には舞妓さんの高い下駄がつきものだろう」


○竜安寺 
「私は、竜安寺について詳しいです」
「では、石庭の石の数は?」
「15です」
「では、砂の数は?」
「うーん…」
「どこへ行くのですか。スコップもって」
「数が分からないから、砂を全部捨てます」
「おい、おい、それは乱暴ではないですか」
「いえ、いいのです。代わりに砂糖を入れます」


○北山杉 
「杉はまっすぐ上に向かって伸びるがなぜなんだろう」
「まっすぐ下に伸びるには穴を掘らなくてはいけないからさ」


○金閣寺 
「これから金閣寺の池の鯉を捕まえに行くんだ」
「食べるのかい?」
「いや、金持ちになるためさ」
「鯉が金持ちになるお守りかい?」
「いや、落ちてきた金箔を食べているはずだから、金の採集にだよ」


○等持院 
「ここにある足利尊氏の木像は幕末に尊王論者によって切られたのだよ」
「木なんかにせずに銀にすれば安全だったのに」
「それでもだめだよ」
「金きりのこで切るのかい?」
「いや、今度は盗まれるよ」


○平家 
「僕にはわからないことがあってさ」
「なんだい?」
「平家は六波羅(6はら)から福原(29はら)へと発展したのにその後滅亡したのが」
「いや、それでいいんだよ。その後建礼門院は大原(0はら)へ行っただろ」


○賀茂川 
「賀茂川は流れが急で昔は『暴れ川』といわれたのだよ」
「じゃー、捕れた魚は『踊り食い』かい?」


○清水寺 
「境内で傘屋をすればもうかるだろう」
「紫外線を予防するためかい?」
「いや、舞台から飛び降りるとき傘を開くためさ」


○広隆寺 
「弥勒菩薩は千数百年の間、ずっと同じポーズで考え続けてきたんだ」
「それなら、もう考える材料がないんでは?」
「いや、大丈夫、そのときは何を考えたら良いのかを考えればいいんだよ」


○北野天満宮 
「受験生が合格祈願に来てもみんな受かるとは限らないだろ」
「そうなんだよ。そこで神社も考えたよ」
「受かりそうな人だけにお札を出すのかい?」
「いや脳力アップのドリルを一緒に売るのさ」


○松尾神社 
「ここに祭られてるのは酒の神様だよ」
「なるほど。拝むとき手をたたくわけがわかったよ。酔っ払って寝ている神様を起こすためだろ」


○一条戻り橋 
「ここで羅生門の鬼に声をかけられた渡辺綱が鬼の腕を切り落としたところだ」
「その鬼は復讐に燃えて…」
「いや、何もできなかったはずだよ。もう打つ手がないから」


○高尾 
「ここは紅葉の名所だね」
「僕には花より団子だよ」
「それもいうなら、紅葉より饅頭だよ」(これは広島ネタかな?)


○東寺 
「空海も人妻と密通してわびたという意味かい?」
「そんなことないだろう?いったい、それ何のこと?」
「ことわざがあるだろ?弘法も不義のあやまり」